社長コラム 導火線
       

※本コラムは、ご支援いただいている「まいぷれ」掲載店様やお取引先様に、毎月一回「まいぷれ」の活動をお知らせする会報誌「まいぷれ通信」に掲載しています。

[2012年4月5日]

震災から一年がたちました。
この世の終わりかというような揺れを体験し、真っ暗な事務所で夜を明かしたことは、今も鮮明に脳裏に焼きついています。

度重なる余震と、計画停電で、この先果たして事業を続けていくことが可能なのか?と、なんども不安が頭をよぎりました。

この一年で大きく“絆”という言葉がクローズアップされました。家族、地域、職場での人間関係に焦点が当たり、大事にしようという機運が盛り上がりました。

こんな機運もあって、「震災で日本が変わった」とよく言われます。が、果たして「変わった」のでしょうか?

古来日本社会は地縁、つまり地域のつながりを非常に大事にしてきた民族です(そう教わりました)。実際、消防団、自治会、町内会、商店会など、他の国ではあまり見られない、互助的な地域組織が定着しています。防災、子育て、治安、美化、地域イベントなど地域作りの重要な役割を担っています。ところが、昨今では核家族化等による個人の価値観の変遷、権利意識の極大化、プライバシーの問題、住環境の変化、物流の変化などにより、このような地域のつながりに関する意識が希薄化してきていました。「地縁=ムラ社会=悪」のような論調も多くありました。ですが今回の震災で、この地域互助の考え方が改めてクローズアップされたのです。ですから、震災で「日本が変わった」のではなく、「忘れていたものの考え方に改めて気づいた」のではないかと思うのです。軽視しがちだった地域でのつながり、地縁、地域社会というものの重要性に、改めて気づき直したのです。

昔のやり方はすべて正しい、というつもりはありません。「昔のような地域社会に戻るべし!」ではなく、温故知新といわれるように、時代の変化に合わせた地域社会のあり方を改めて考え直していくいい機会にできるのではないかと考えています。

(株)フューチャーリンクネットワーク
代表取締役 石井 丈晴