社長コラム 導火線

※本コラムは、ご支援いただいている「まいぷれ」掲載店様やお取引先様に、毎月一回「まいぷれ」の活動をお知らせする会報誌「まいぷれ総研」に掲載しています。

今回の内容をざっくり言うと…

  • 議会を廃止し直接民主制をとる自治体の発生
  • 折衷案や第3案を生む議論がしにくい傾向に
  • 地方自治を当事者意識を持って考える機会に

[2017年9月5日]

 先日、高知県大川村が村議会を廃止して村総会を設置する、という報道がなされました。つまり、議員がいなくなり、町長や行政の執行状況の監督も、予算や条例の審議も、町民みんなですることになるわけです。いわゆる、直接民主制です。大川村は人口が400人と少なく、現在の議員6人は平均年齢70才以上で、前回の選挙は候補者が6人以外におらず全員が無投票当選だったとのこと。今後議員のなり手がいなくなることも踏まえて、議会の廃止を検討することになったとのことです。

 少子高齢化の中、このように議員の担い手が不足し、定数削減だけでなく議会自体を廃止する自治体は今後多数出てくることが予想されます。直接民主制になると、市民や町民が自ら意志決定に参加することで地域行政への参加意識が高まる一方、意志決定に直接参加する人数が増えるため、議会のある間接民主制と違って議論がしにくくなる傾向があります。

 例えば、学校を廃校にするか否かがテーマだった場合、議員がいて議会の場があれば、単に廃校にするかどうかの議論だけではなく、他の活用方法や民間連携による存続の道筋など、建設的にあれこれ議論もできます。しかし直接民主制だと、町民みんなで議論するのは収拾がつかないため、イエス/ノーだけを住民投票で決めるだけになってしまいがちです。これでは折衷案や第3の案が生まれにくくなってしまいます。

 時代と共に社会が変化し、人口構成が変化していけば地方自治のあり方が変わっていくのも当然です。今までは議員にお任せで、地域問題に関しては当事者意識を強く持たない人がほとんどだと思います。地域で議会を廃止する検討が始まったというこのニュースも、他人事と思わず、これからの日本の地方自治を当事者意識を持って考えてみるいい機会にしようと思います。

(株)フューチャーリンクネットワーク
代表取締役 石井 丈晴