社長コラム 導火線

※本コラムは、ご支援いただいている「まいぷれ」掲載店様やお取引先様に、毎月一回「まいぷれ」の活動をお知らせする会報誌「まいぷれ総研」に掲載しています。

[2012年12月5日]

最近出張が多く、移動時間活用のために駅や空港の本屋に立ち寄っては本を買っています。そんな中、元中日ドラゴンズの監督・落合氏の『采配』という本を読みました。テレビ等を通してみる言動や報道の雰囲気からあまりいい印象を持っていなかったので、本来であれば積極的に買うことはないだろう本だったのですが、選択肢の少ない空港の小さい本屋さんでしたので消去法で買ってしまったというのが本音です。

ですが、読んでみて印象が一変。本自体のおもしろさももちろんですが、落合元監督が厳しさと愛情に溢れる、尊敬すべき人物だと感じました。本の内容に関してはここでは割愛しますが、何より気になったのがマスコミを通して僕が抱いていた落合元監督に対するイメージと、本を読んだ後のイメージが全く違うことです。事実関係は同じでも、そのとらえ方によって良くもとれるし悪くもとれる。マスコミの主観で、多かれ少なかれ僕たちの見方が偏ってしまう可能性は非常に高いのかもしれません。

これはマスコミに限らず、いろいろなところで見られます。例えば地域の市民活動団体。非常に有意義な活動をしている(様に見える)にもかかわらず、敵が多かったりします。一方の立場に立つと一方を非難するばかりになってしまいますが、よくよく聞くとそれぞれの立場で正義があったりします。

物事を一面から捉えてはいけない、相手の立場や違う角度から見て多面的に判断しなければならない、といったようなことは昔から言われていることではありますが、これだけ情報インフラが発達し、メディアが増えた今でもこのような一面的な情報判断に陥りがちになるというのは非常に興味深いところです。

インターネット掲示板やクチコミ情報サイト、TwitterやSNSなどで時折話題になる「炎上」なるものの発生をみれば、むしろ最近の情報インフラの発達によって、より一層ものの考え方や見方が偏りやすくなっているのかもしれません。政治、思想、歴史、宗教に始まり、地域社会、コミュニティ、家族観まで、一方的なものの見方で議論していてはいい結果を生みません。

我々は情報の受け取り側として偏らずに物事の本質を見る心構えを持ちつつ、情報発信者側としても偏らせないためにどうしたらよいか?という命題について考え続けなければいけないと改めて思います。

(株)フューチャーリンクネットワーク
代表取締役 石井 丈晴